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東八ラン


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1961年に計画された総延長34.2kmの都市計画道路である東京八王子線。 三鷹市の牟礼橋から東八道路日野バイパス八王子南バイパスを経て高尾山ICまでを結ぶこの道路は、放射5号線の杉並区高井戸5丁目付近から牟礼橋までの区間を含めて、国道20号の新たなバイパス道路として整備中だが、未だ作りかけの部分も多く、全線開通のめどはたっていない。 既に整備された区間や、道路用地だけ確保したような区間が不連続に並んでいるのが現状である。 東八ランでは、東京八王子線の計画ルートを可能な限り自転車で辿りながら探索し、現在の未完成の状態を調査した。
※「東八ラン」は「東八道路ラン」の略ではなく「東京八王子線ラン」の略

日程2013年4月28日
行程日野→府中→上北沢→三鷹→日野→みなみ野→高尾→八王子→府中
走行距離97km


甲州街道(府中〜上北沢)

東京八王子線を牟礼橋から辿るために、まずは国道20号線で府中から上北沢まで向かう。 国道20号線は、江戸幕府によって整備された五街道の一つである甲州街道にあたるが、現在のルートは当時のものとは多少異なっている。 府中駅から調布駅の付近、また千歳烏山駅の付近では昭和時代にバイパスが整備されたため、新たなバイパスが甲州街道となり、旧道は旧甲州街道と呼ばれている。

府中から調布にかけてのバイパスは@本宿町〜東府中、A東府中〜調布IC、B調布IC〜国領の3区間に分けられ、B→@→Aの順で整備されている。 この三つのバイパスを継ぎ合わせて現在の国道20号線が作られているので、東府中と調布ICの付近には甲州街道と旧甲州街道を接続する支線のような道路が残っている。 なお、バイパス@とバイパスAによって旧甲州街道となった区間は都道229号線になり、バイパスBによって旧甲州街道となった区間は都道119号線となっている。

甲州街道と鎌倉街道が交差する「本宿交番前」交差点を過ぎると、「本宿町」交差点で甲州街道と旧甲州街道が分岐する。 写真に写っている旧甲州街道(都道229号線)には車両2台が並走できそうな広さがあるが、700mほど進んで京王線の踏切を超えると道路幅が半分ほどになる。 都道229号線は府中駅付近で一時的に道路幅が広がるが、調布IC付近までは車1台分の片側1車線道路が続く。

「本宿町」交差点を左に進んでからしばらくの間はスムーズに走れるが、「寿町三丁目」交差点に近づくと信号待ちの長い車列にぶつかる。

この場所では渋滞が起こりやすく、自転車で走っていても足止めを食らうことが多い。 府中市街の中心付近を通っているため信号機が多くなっており、交通の流れが悪くなることで渋滞が生じていると思われる。 また、この場所は歩行者が多く、左折車が横断歩道手前で停止することで左側車線が詰まることが多い。 このため、歩行者用信号機が青になるタイミングが車道の信号機よりも早く設定されているのだが、それでも左側車線はスムーズに流れにくい傾向にある。 渋滞の発生はこれらの理由によるものだろう。

府中駅前を通るけやき通りを通過してしばらく走ると、先述したバイパス@が旧甲州街道と接続する道路と、現在の甲州街道になっているバイパスAの分岐点がある。

分岐点から500mほど直進すると旧甲州街道だが、甲州街道から旧甲州街道までの区間はバイパス@の名残なので、道路の規格は現在の甲州街道と同等である。 引き続き国道20号線を走るため、流れに沿って左側へ進んだ。

白糸台の交番を過ぎると陸橋があり、西武多摩川線を乗り越える。 さらに進むと味の素スタジアムの横を通過し、調布ICとなる。 この先がバイパスAとバイパスBの分岐点となっており、都道229号線はここで終点となる。


(写真は府中方面を振り返って撮影してある。)

写真の都道229号線(バイパスBの名残)を500mほど戻った地点が都道119号線の終点になっているので、調布IC付近から旧甲州街道が都道119号線に変わる。 ただ、都道119号線は都道229号線の半分以下の長さ(およそ2.5km)しかないので、国道20号線を少し進むと都道119号線の起点(バイパスBの末端)に着いてしまう。


(写真は調布方面を振り返って撮影してある。)

仙川駅付近まで来ると、国道20号線から千歳烏山の市街を通る旧甲州街道(都道指定なし)が分岐し、芦花公園駅付近で再び合流する。 環八通り(都道311号線)を通過して1kmほど進むと、国道20号線は高架の首都高速道路、および放射5号線と合流する。


(首都高速との合流点では共同坑の工事が行われていた。)


放射5号線(上北沢〜牟礼橋)

放射5号線とは、「東京都市計画道路幹線街路放射第5号線」という長ったらしい名前の道路のことを指す。 放射5号線は都心から放射状に伸びる都市計画道路の一つで、多くの区間に通称が付けられている(新宿通り、甲州街道、東八道路)。 道路上で放射5号線という表記を見ることができるのは、おそらく杉並区高井戸5丁目の国道20号線との交点から牟礼橋までの区間だけだろう。 ただし、高井戸2丁目の「富士見ヶ丘小学校」交差点から牟礼橋までの区間が未完成となっており、交通の流れが良いとは言えない。

放射5号線の「富士見ヶ丘小学校」交差点までの区間は、首都高速の下を通っている。 基本的には片側2車線の道路になっているが、場所によっては片側1車線であり、途中から幅員が狭くなることを表現した青看板からも「とりあえず作った感」を 感じ取れる。


(交差点から先の道路が細く描かれている。)

ただ、橋脚が歩道の中心付近にあったり、高架の下の空間が使われていなかったりするなど、道路の敷地自体は広く確保されており、将来的に拡幅されることが予想される。


(橋脚の内側と車道の間にはちょうど1車線分の空間がある。)

「富士見ヶ丘小学校」交差点を過ぎると、牟礼橋までの未完成区間が始まる。 首都高速の高架下には、右側へ進む道路を作るための空間が残されていることがわかる。


(道路は右奥方向に向かって作られる計画。)

首都高速の高架から離れた先は、玉川上水の両脇を通るルートが計画されている。

現段階では道路用地が広がっているだけであり、仮設道路があったり重機が置いてあったりする。 道路用地はフェンスで囲まれており、一般人が立ち入ることはできないようになっている。


(左の写真は下り線、右の写真は上り線。)

道路計画範囲の航空写真には緑色の場所が多く見えていたが、実際に行ってみると土地が荒れることを防止するためのシートのようである。 このような場所は、過去に住宅などがあったが土地の買収によってそれらが取り壊された部分にあたるのだろう。 やはりフェンスで囲まれていて、立ち入りはできなくなっている。

少し進むと、将来どのように道路用地が使われるのかを示した看板があった。

【車道(2車線)幅7.5m(黒色)】、【環境施設帯「植樹帯など」幅5.5m(緑色)】、【環境施設帯「自転車道と歩道」幅4.5m(灰色)】という三つの看板には色が書いてあるが、この色は地面に敷かれたシートの色に対応しているようだ。 ただ、色あせたシートと仮設道路用に敷かれた砂利のせいで、最初に看板を見たときは何の色のことを指しているのかわからなかった。

さらに進んだところには、玉川上水沿いの放射5号線が完成するとどのような雰囲気になるのかを示すため、一部区間で試験的に実際の道路のモデルが作られていた。

看板には、「このモデルは、幅員60mの道路を実際に現地に作り、直接、見て実感していただくために整備しました。今後皆様からのご意見を頂きながら事業の推進に役立ててまいります。」と書いてあり、北側と南側に整備した二つの完成モデルの説明がされている。 実際に作られる道路がこのモデル通りになるかはわからないが、少なくとも玉川上水と道路を隔離するための緑地帯は整備されると思われる。


(左から順に、側道、遮音壁と本線、緑地帯。)

なお、この道路は計画段階では2012年に完成する予定だったが、まだ全ての道路用地の買収が終わっておらず、完成の見通しは立っていない。 一部地下化する案もあるようだが、どちらにしろ道路用地が確保できないと具体的な計画を立てることもできないだろう。


(道路用地の中には住宅が残っている場所もある。)

人見街道が通る牟礼橋まで来ると、放射5号線は玉川上水から南側に逸れるルートとなり、ここから先の放射5号線には東八道路という通称がついている。


東八道路(牟礼橋〜国立府中インター入口交差点)

東八道路は牟礼橋から「国立インター入口」交差点までを結ぶ幹線道路の通称で、放射5号線、都道14号線に含まれる。 幅員が30mありながら基本的には片側2車線なので、道路の左側にはかなりのスペースがあり、自転車で走りやすい。 さらに、歩道の横に自転車道が整備されている場所も多く、歩道と路肩が狭い国道20号線とは大違いである。

東京八王子線は牟礼橋から始まることになっているが、序盤からいきなり未完成になっている。


(人見街道と東八用地)

牟礼橋から三鷹市北野2丁目の付近までは事業中であり、道路用地の確保はほとんど完了しているが、一部に仮設の道路があるだけの状態である。 昔からの道路は広大な空き地の中に取り残されたままで、東八道路の供用区間まで抜けるには、細いジグザグ道を走らなければならない。

三鷹市北野2丁目の付近まで来ると、供用区間と未成区間の境界になる。 東八道路で都心方面を目指すと、この地点から道路幅が半分以下の細い白道を通ることになるため、何も知らずに走ってきて迷ってしまう人もいる。 自動車は未成区間手前で別の道路に回避したりするが、そのまま直進する車も多いため、渋滞が発生する場合もある。


右の写真にカーソルを合わせると、将来の東八道路の線形を表示。

ここを過ぎると、しばらくは供用区間となる。


(この場所は過去に片側3車線だった時期もあったが、左端の車線は自転車道に変更された。)

東八道路は都立野川公園付近で西武多摩川線と交差する。 陸橋で線路をパスした甲州街道とは異なり、東八道路は線路の下を通っている。

なお、線路をくぐった後の交差点では信号の接続が悪いからか、上の写真のような車列ができることが多い。 車線幅が広く、基本的に制限速度が60km/hなので、自動車はかなりのペースで走っているが、道路の太さの割に信号機が細かく設置されているため、信号待ちの頻度が高くなる。 国道20号線のバイパス道路としての利用を考えた場合、交差点に陸橋を整備したほうがスムーズな流れができると思うが、今のところ陸橋は存在しない。


(小金井街道との交差点)

府中市に入り、国分寺街道(都道133号線)との交差点を過ぎると、府中街道(都道17号線)と武蔵野線をアンダーパスで通過する。 この地点から制限速度が50km/hに変わるが、それを忠実に守る車はあまり見られない。 なお、アンダーパスは軽車両の走行ができないようになっているので、自転車は側道に入り、武蔵野線の高架下にある歩道を通るとになる。

東芝の工場の北側を抜けると、東八道路の供用区間は「西原町一丁目」交差点で唐突に終わりを迎える。 多摩南北道路3号線(都道17号所沢府中線バイパス)との交差点になっており、大部分の車はここで左折して国道20号方面へ抜ける。

東八道路はこの場所から「国立インター入口」交差点までの区間が未完成になっている。 現道は存在せず、住宅地を貫いて新しい道路を造成する計画になっている。 なので、ここからは住宅地内の細い道を通って、現在の進行状況を見に行った。


(「西原町一丁目」交差点にあった看板より)

買収はほとんど進んでいないようで、住宅地内には確保済みの道路用地がモザイク状に存在していた。 買収済みの土地は柵で囲まれ、一般人が立ち入ることができなくなっている。

計画では平成30年(2018年)が道路の完成予定になっているが、住宅地の多さを見ると、道路完成まではもっと時間がかかりそうな印象を受けた。

東八道路は南武線を陸橋で超え、「国立インター入口」交差点から国道20号線(日野バイパス)にそのまま接続される予定である。


画像にカーソルオンで陸橋の予想図を表示。


日野バイパス(国立府中インター入口交差点〜北野町交差点)

日野バイパスは国道20号線のバイパスとして整備された道路で、「国立インター入口」交差点から日野市を通って北八王子駅付近の「高倉町西」交差点に至る道路である。 加えて、日野バイパスの日野坂にある「坂下」交差点から浅川に沿うようなルートで北野駅北部の「北野町」交差点までの道路も計画されている。この区間は「日野バイパス延伸部」と呼ばれ、東京八王子線の一部分になる予定だが、現在は未完成となっている。


(灰線が旧甲州街道、青線が日野バイパス、赤線が日野バイパス延伸部)

国道20号線は「国立インター入口」交差点を直進するルートだったが、日野バイパスの完成に伴ってルートが変更され、立川方面へ向かっていた国道20号線は都道256号線となった。 普通はバイパス道路が作られると、今までの道路から滑らかにバイパスへ進入できるように交差点の形状を作り替え、導流帯が整備されるのが一般的である。 だが、この交差点は東八道路の完成を見越して完全なT字路となっている。

交通量の多い都道256号線、そして日野バイパスが合流するため、交差点付近の流れは非常に悪く、渋滞の発生頻度はかなり高い。


(交差点が交通のボトルネックになっている。)

国立府中ICは「国立府中インター入口」交差点から500m以上離れているが、ICの出口まで渋滞が続く場合もある。 また、「国立府中インター入口」交差点から「本宿交番前」までの国道20号線、および、「日野橋」交差点までの都道256号線では渋滞が頻発すると書いたが、路肩・歩道も狭く、自転車であっても渋滞によって進むことができなくなる。 渋滞を避けようとしたり、そもそも路肩が狭く自動車との車間が十分でないため、歩道を走行する自転車が多いのだが、歩道はすれ違いが困難なほど狭く、歩行者との接触事故がいつ起きてもおかしくない状況である。東八道路の早期開通が望まれる。


(左:IC出口まで渋滞が続く 右:歩道・路肩が狭く自転車の走行は危険)

国立府中ICを過ぎると、多摩川を石田大橋で渡る。 道路は手前の交差点を陸橋でパスし、そのまま橋を渡るようになっており、自転車は側道・歩道を走ることになる。

橋を渡ると、日野バイパスは多摩モノレールの下を通し、日野バイパスの日野坂にさしかかる。 本来の日野坂は、旧国道20号線である都道256号線が日野駅から日野の台地まで登る部分を指すのだが、日野バイパスの坂も日野坂と呼ばれることが多い。

この坂の下で日野バイパスが分岐する計画になっている。 上の写真を見ても、道路は日野坂まで直線的に接続されておらず、下り線は分岐先である左側に寄った形になっている。 坂の上から日野バイパスを見ると、「坂下」交差点付近の中央分離帯がかなり広くなっており、将来的に道路線形を改変する余地を残していることがわかる。


カーソルオンで分岐点の画像を表示

ここからは日野バイパスの未成区間を進む。 分岐点の近くは土地の買収があまり進んでいないようで、時々柵で囲まれた道路用地があるのみである。


(供用区間を外れ白道へ。)

東豊田1丁目付近まで来ると、道路用地が確保された場所に合流する。 合流点を見ると、道路の拡張を意識した形状(突然終わる広い歩道)になっていることがわかる。


(左:歩道が直角になくなっている 右:道路用地)

ここからは片側一方通行の道路に挟まれた広い道路用地が存在する。

だが、800mほど進むと明瞭な道路用地はなくなり、再び土地買収が完全でない区間となる。

道路が作られることを知らなければ、ただの住宅地にしか見えないほどで、本当に道路が作られるのかも疑わしくなってくる。

それでも、道路用地が確保できた場所も存在し、仮設道路が整備されていた。

日野バイパス延伸部はJRの車両センターの南側を抜け、少し北へ進路を変えてから浅川を渡ることになっているが、橋は未完成となっている。


(左の写真にカーソルオンで橋の位置を表示。)

浅川を渡ってから「北野町」交差点までの区間では、既に道路が完成している。

広い道路を少し進むと「北野町」交差点で国道16号線と交差し、日野バイパス延伸部は終了する。 ここから左に曲がると八王子バイパスの入口がある。 そして、交差点を直進すると行き止まりになっているが、八王子南バイパスが作られる計画になっている。


八王子南バイパス(北野町交差点〜高尾山IC)

八王子南バイパスは国道20号線のバイパスとして整備された道路で、「北野町」交差点から京王片倉駅付近、みなみ野を通って、高尾山ICまで至る道路で、東京八王子線の一部分である。 この道路にも未成区間が多くあり、完成のめどは立っていない。

「北野町」交差点から進むと、すぐに八王子南バイパスは行き止まりになってしまう。 この場所には京王線と横浜線を超える陸橋が作られる予定になっており、現在は陸橋の側道部分だけがある状態である。

陸橋予定地の北側にある都道160号線(野猿街道)の陸橋を使って線路を渡る。


写真にカーソルオンで橋の位置を表示。

線路を超えた先は住宅地となっており、道路整備が計画されている区画内には未だに住宅が存在する。 現在進行形で土地の買収が進んでいるようで、道路用地を囲むフェンスはかなり新しいものだった。

住宅の痕跡がかなり残った道路用地もある。

閑静な住宅地の中にフェンスで囲まれた道路用地が点在する風景からは、なんとも不思議な印象を受ける。

住宅地を抜けると、八王子南バイパスは国道16号線と立体交差する。 八王子南バイパスと国道16号線を接続する道路を作るために、この周辺は道路幅よりも広い領域が道路用地として確保されている。


左の写真にカーソルオンで陸橋の位置を表示。

立体交差後、八王子南バイパスは左へ曲がり、南方向へ90°進路を変える。 京王高尾線をトンネルで通過し、高架で北野街道と立体交差する。


(北野街道を立体交差。)

ここから先は八王子みなみ野のニュータウンを通るため、道路用地の確保はほとんど終了している。 供用中の片側1車線の道路(白道)が既に存在し、その周辺には八王子南バイパスとして拡張するための空間が残されている。

みなみ野のニュータウンは東京八王子線が計画された後に作られたものなので、道路用地が最初から確保されていたようなものである。 なお、八王子みなみ野駅から八王子南バイパス方面へ伸びる道路は、数年前まではなめらかな曲線を描いて西へカーブしていたが、八王子南バイパスのルートが整備されたときにT字路に変更された。

現在この場所には以前の道路が廃道として残されている。 ただ、八王子南バイパスが完成したときには、その存在は完全に消滅するだろう。


(使われなくなった道路には草が生え始めていた。)

みなみ野のニュータウンを過ぎると、道路は都道506号線に向かって下り始める。 供用中の白道をはるかに上回る幅の領域が舗装した状態で存在しており、かなり印象的な場所になっている。 八王子南バイパスは高架で都道506号線を超え、正面の山を突き抜けることになっている。

この山の反対側はめじろ台グリーンヒル寺田通りとなっており、山を突き抜けてきた八王子南バイパスは榛名橋バス停付近を高架で通過する。

めじろ台グリーンヒル寺田通りと八王子南バイパスが交差する地点の路肩は、道路の延長を示唆するような形状になっている。

八王子南バイパスはさらに直進して山を通過し、ゆりのき台団地内を通過する。 ゆりのき台の住宅地もみなみ野と同じようなニュータウンであり、すでに道路用地は確保されている。 ここでは八王子南バイパスが住宅地の中心を通るため、本線部分は地下化し、住宅地のある地上部には側道だけが作られる予定になっている。住宅地が幹線道路で分断されないようにするための工夫だろう。


(住宅地の西から東側を向いて撮影。)

ゆりのき台団地をトンネルで通過し、八王子南バイパスはまだまだ直進する。

上の写真の正面に見える山を超えると、八王子医療センター前の道路に接続される。 この道路は既に片側2車線になっているが、道路の東側(ゆりのき団地側)は唐突に終わっている。

八王子医療センターを超えて坂を下ると、町田街道(都道47号線)との交差点(「医療センター入口」交差点)になる。 ここを直進するのが八王子南バイパスのルートだが、ここから高尾山ICまでのトンネル区間(浅川トンネル)は既に供用中である。


(正面に見えるのが浅川トンネル出口から町田街道へ接続する側道。本線は未完成。)

はじめに東京八王子線が国道20号線のバイパス道路になると書いたが、この区間は既に国道20号線の指定を受けている。

将来的に、「医療センター入口」交差点は陸橋によって本線が立体交差することになっているため、トンネル出口付近には道路を拡張するための突出部が存在する。


(道路が完成すると、上の写真は陸橋の真下の位置になる。)

ここから供用中のトンネルを走行したいところだが、残念ながらこの区間は自転車と歩行者が通行禁止になっているため、八王子南バイパス、そして東京八王子線の終点となる高尾山ICへ自転車で行くには、高尾を通る従来の国道20号線を経由しないといけない。


(このトンネルを自転車で通れないのはかなり不便。)

仕方ないので、町田街道を通って高尾を目指す。 途中、「狭間町」交差点から西へ伸びる広い道路がある。 この道は山田駅付近まで続くのだが、1995年に発行された地図を見ると、東京八王子線として計画されているような記載がある。 当初のルートは現在と違うものだったのだろうか。 それとも、将来的に八王子南バイパスの支線として延伸する計画があるのだろうか。

高尾から国道20号線で高尾山ICを目指す。 高尾山ICは高尾山口から大垂水峠方面へ1kmほど進んだ場所に存在する。


(右下から左下へ伸びる道路は転回用レーン。)

この地点が八王子南バイパス・東京八王子線の終点であり、高尾山ICを通して圏央道に入ることができる。


(高尾から相模湖を目指す場合、高尾山ICで左折する形になる。直進すると圏央道。)

八王子南バイパス、および高尾山ICが完成したことにより、この付近の交通の流れは大きく変化した。 今までは高尾と相模湖方面を国道20号線が結んでいるだけの場所だったが、八王子南バイパスのトンネルが完成したことで高尾山口をパスする流れが生まれ、高尾山ICの完成に伴い国道20号線の本線が八王子南バイパス側に切り替えられた。


(高尾山IC付近の道路の変化)

この本線の切り替えは、東京八王子線の完成を見越したものだろう。 東京八王子線が完成し、国道20号線のバイパスとして運用されるようになれば、神奈川県から国道20号線で峠を越えてきた自動車をバイパス側へ誘導する必要があるからだ(この場合、東八道路を含む放射5号線も国道20号線になることになる。)。 ただ、現在の八王子南バイパスは町田街道までしかできておらず、本線を通って行っても都心までスムーズに行くことはできない。 にも関わらず、このような本線の切り替えを行った背景には、東京八王子線を早期開通させたいという強い意志があるのだろう。


(現在は高尾方面が実質的な本線だが、道路の流れは完全に町田街道方面になっている。)

なお、東京八王子線が完成したとき、現在の国道20号線がどのように扱われるかが気になるところである。 日野バイパスの完成によって、従来の国道20号線が都道256号線になったように、東京八王子線が新たな国道20号線となり、現在の国道20号線は国から都へ移管されるのだろうか。 ただ、既に完成した八王子南バイパスには東京八王子線に基づいた距離表示のキロポストが設置されているが、しっかりと「BP」の表記があり、現在の国道20号線と区別する形になっている。 現道・バイパスの2本とも国道20号線になる可能性もあるだろう。


甲州街道(高尾〜府中)

東京八王子線の計画ルートを辿ることは終わったので、ここからは現在の国道20号線などを通って府中まで戻ることにした。

高尾山口から高尾までの区間は片側1車線になっている。

高尾を過ぎると、イチョウ並木の中を片側2車線の道路が通っている。 路面が荒れている場所もあるので、自転車での走行には多少注意が必要である。

さらに進むと、八王子の市街地の手前で国道20号線が右へ折れている。 自転車で走る場合は2段階右折をしないといけないので面倒なのだが、ここを直進しても八王子の市街地を過ぎたところで再び国道20号線と合流するようになっている。

八王子の市街地にはバスが多く、かなり混雑する場合もある。

八王子の市街地を抜けて大和田橋を渡ると、国道20号線は国道16号線のバイパスと交差する。

ちなみに、上の写真に道の駅の案内標識が出ているが、この「八王子滝山」は東京で唯一の道の駅となっており、地域の農作物やジェラートなどが販売されている。

その後、坂を上って日野台の上に来ると、日野バイパスの分岐になる。 日野バイパスが完成するまでは直進ルートが国道20号線だったが、現在は都道256号線になっている。 青看板をよく見ると、都道ヘキサが後から上書きされたものだとわかる。


(左:日野バイパスとの分岐点  右:古い青看板だと国道20号線時代の痕跡がわかりやすい。)

日野バイパスの日野坂を下る手前まで走ったところで国道20号線を離れ、旧甲州街道(都道256号線)を走ることにした。 旧甲州街道は日野駅付近を通過し、日野橋で多摩川を渡る。 ちなみに、日野駅周辺は日野宿にあたり、江戸時代の甲州街道はここを過ぎた後、多摩川を渡し舟で渡っていた。 これは日野の渡しと呼ばれ、日野橋が完成する大正15年まで続いていた。

旧甲州街道は「日野橋」交差点を右折し、日野バイパスとの合流点である「国立インター入口」まで続いている。 日野バイパスの項でも書いたが、この付近は渋滞が頻発する場所であり、帰りの夕方の時間になっても長い車列が形成されていた。


(左:旧甲州街道  右:日野バイパスとの合流点)

渋滞に巻き込まれながら府中に到着し、東八ランは終了した。 このような状況を見ると、やはり東八道路、ひいては東京八王子線の早期開通が望まれる。



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